30代で起業する方法とリスク
日本政策金融公庫の総合研究所が発表しているデータによると、30代で起業する人の割合はその年に起業した人のうちの35%ほど。
同じように40代が35%ほどで、20代は7%。
メディアなどでは、20代での起業が騒がれていますが、起業する人の割合は30代・40代がほとんどです。
多くの人が起業を思い立つ30代。
彼らが起業するときの方法とリスクを今から見ていきましょう。
30代で起業するために
起業するためには、それなりの準備が必要です。
いきなり何もないところから会社を作ることはできません。
そもそも会社の本質とは何なのか、事業とはなんなのか、というところで意見が分かれますが、ある側面を切り取るならば「新しいお金の流れを作ること」と言い換えることができます。
では、その流れを作るために必要なものはなんなのでしょうか。どんなスキルや知識が必要になってくるのでしょうか。
30代で起業するために、20代までにしておきたいこと
何人かの経営者の話を見聞きすると、20代を修業の期間と定めて、30代で起業する人も多くみられます。
30歳というのは人間にとってある種の区切りの一つにも思えますが、状況としては社会に出て10年近くになり、それなりの経験と人脈を培っている頃になります。
その期間を30代での起業に向けて有意義に過ごすために準備が必要です。
資金の準備
まずはなにより資金の準備が必要です。
自己資金で賄えるなら良いですが、20代のうちは給料も少なく、なかなか貯金も難しいかもしれません。
親族や知り合いなどの融資を申し出ることもできますが、自分の計画に自信があるなら日本政策金融公庫や信用保証協会のような政府系の金融機関に融資を申し込んでみると良いでしょう。
借り入れの際に、様々なヒアリングや書類を揃える必要がありますが、民間の金融機関よりも比較的借りやすいです。
ここで自分の計画をきちんと説明して担当者を説得して融資を引き出すくらいのことができなければ、独立はもう少し先に見送ったほうがいいかもしれません。
業務に関する知識・スキル・資格の取得
どんな商品を売るのか、どんなサービスを提供するのか。誰でもできることに価値などないので、それなりの専門知識をもって起業することが必要になります。
独立するとき、最初は一人か少人数のスタートですので、多くの事を起業家本人がやらなくてはなりません。
業務に関するコアとなる知識、スキル、資格など20代のうちに取得しなければ30代で独立することは難しくなります。
経営知識の習得
高学歴で単独で数千万円を稼いでいた20代の若者が、税理士と相談して法人化した例があります。
社員をやとって事業を拡大したのですが、組織運営がうまくいかずに失敗してしまいました。
業務知識と才能だけでは会社は存続できません。
会社は人の集合体ですので、それをうまくまとめて経営していく知識や経験が必要になります。
経営という言葉の意味も幅広いですが、組織単位で成果を出していくためにはどうすればいいかをある程度知っておく必要があります。
顧客の確保
失敗しない起業方法とは、と問われたら優秀なビジネスマンは「顧客を先に確保しておくこと」と答えます。
先ほど起業とは「新しくお金の流れを作ること」と言いましたが、顧客はその源泉となります。
モノやサービスを提供して、顧客から報酬をもらう。
この流れを太くしたり、あるいは別の流れを作ることで会社にお金が流れ込みます。
家族の説得
起業はリスクが高い行為です。
成功しているうちは、みんな笑顔でついてきてくれます。
しかし、しっかりコンセンサスを得ておかないと、失敗したときにすべて失ってしまう可能性もあります。
起業をしようと思ったらやはり家族を説得する必要があります。
30代で起業するリスクについて
何をするにもリスクとリターンは存在します。
では、30代で起業するときのリスクにはどのようなものがあるでしょうか。
年齢
会社が成功すればよいですが、35歳で起業して例えば10年目で資金ショートして倒産した場合は、自分は45歳です。なかなか再就職は難しい年齢になるでしょう。
また、先ほども述べた様に30代では現在勤めている会社でもそれなりの地位に就いている可能性があります。
この時、どちらを選ぶかは決断となってきます。
人生のステージの問題
近年、男性の平均初婚年齢は30歳~32歳くらいです。
平均的な男性の場合は結婚したばかりか、結婚数年で小さい子供がいるくらいで大変な時期かと思います。
結婚、出産、子育てと大変なことが重なる時期でもあります。ここにさらに起業したての会社を軌道に乗せるというこれまた大変な仕事が加わります。
まとめ
以上、30代で起業する方法とリスク、ということで見てきました。
30代で起業するには20代のうちにしっかり準備をしておく必要があります。
また、仮に30代で起業できたとしても、そこからが本当のスタートです。
公私ともに様々な問題が集約されやすい30代ですが、体力もまだまだある年齢でもあります。
今まで蓄えてきた力を使って、まずは会社を軌道に乗せることが大切です。