20代で起業することによるメリット・デメリットとは?
起業したいと思っている人にとって、いつ独立するか、というのは重要な関心事でしょう。
ネットなどでは若い世代の起業が取り上げられることなども多く、30代の起業を遅いと感じたりしている人もいるかもしれません。
日本政策金融公庫の総合研究所が発表しているデータを見ると、2016年に起業した人の年齢は20代が約7%、30代・40代がともに35%、50代以上が23%となっています。
多くの人が実は30代から40代にかけて起業していることがここからはわかります。
20代で起業したい!
上記の数字を見る限り、20代で起業するのはかなり早いほうであると言えます。
そして、皆さんもご存知の通り20代で起業して大成功している人も多くいるのも事実なのです。
しかし、ここで疑問も生まれます。
多くの人が30代・40代で起業することを選ぶのはなぜなのでしょうか。
そこにはやはり20代で起業することによるメリットとデメリットを検討した上での結果だと思われます。
これからそれを見ていきましょう。
20代で起業するメリット
発想が柔軟である
発想の柔軟さは20代の最大の武器の一つとも言えます。
また、新しいものに対する適応力が高いのも若い世代の特徴です。
年齢を重ねると新しいものが出てきても、それを学習しようとは思いません。
スマートフォン、インターネットと確かに便利なのですが、それがない生活が長かったため、あまり使いたいとも思わなくなったりもします。
しかし、若い世代はそれがあるのが当たり前なので、成長とともに自然とそれを受け入れて意識せずに学習したりします。
環境の変化に柔軟に対応できるのはビジネスにおいては武器になります。
体力がある
発想の柔軟さと対になるもう一つの武器が体力です。
30代を超えると徹夜が辛くなってきますが、20代の頃は2、3日寝ずに仕事しても全く平気だったりします。
社会経験がない場合、どうしたらいいかわからず手探りで進まなければならない場面にも多々遭遇します。
時には、人の半分の速度でしか仕事が進まない場合も出てきます。
しかし、人の半分のスピードでも、人の倍の時間働けば、まったく問題ありません。
経験不足を体力でねじ伏せることもできます。
また、会社の経営者を見ているとたとえ年配であっても、非常にエネルギッシュな人が多いのも特徴で、バイタリティーにあふれている印象を受けます。
可愛がってもらえる
若いと可愛がってもらえます。
取引先の社長さんに食事に連れて行ってもらったり、飲みに誘っていただいたりすることもあると思います。
起業は非常にリスクの高い選択です。
しかし、成功すれば大きなリターンが得られるのも特徴です。
そんな時、その取引先の社長さんがあなたに対して思っていることは二つです。
一つは、若いのに大したやつだ、という純粋な評価。
そして、もう一つは成長して重要なビジネスパートナーになってくれるかもしれないという打算的な期待です。
とりわけ、社会経験が少ないとビジネスマナーなどからあやふやだったりしますが、そこは自分でしっかりと学びましょう。
豪快で気にしない人もいますが、逆にうるさい人もいます。
こんなことも知らないのか、と思われるのははっきりと損です。
逆にしっかりと対応できれば、相手の見方も変わってくる可能性があります。
やり直しがききやすい
若さのもう一つの利点は、やり直しがききやすいということです。
会社の90%は10年以内につぶれるという話もあります。
実際、会社を辞めて独立しても顧客をうまく獲得できないと非常に苦しい思いをします。
最初は自分が元居た職場や知り合いから、ご祝儀みたいな形で仕事をいただいても肝心の仕事の内容がしっかりしていなければ、それもいずれ消えてしまいます。
初年度はそのご祝儀でなんとかなりますが、2年目にそれも消えてなくなり、3年目で資金繰りができなくなって会社がつぶれてしまうということも多いようです。
ただし、アメリカでは大富豪のほとんどが一度は破産した経験を持っているという話も聞きます。
起業して得た知識や経験を次に生かせるかは、あなた次第と言えます。
20代で起業するデメリット
それではデメリットも見ていきましょう。
社会経験が浅い
まず、20代での起業は社会経験がどうしても浅くなります。
肝心の業務に関する知識やスキルもおぼつかないうちは起業をしてはいけません。
例えば、職人の話ですが、一人前の技術を身に着けるまでには10年と言われています。
きちんとした商品やサービスを提供できるようになる前に独立してしまったら、あとの展開は容易に予想できてしまいます。
人脈がない
人脈とは自分が行動した分だけ周囲にいる人とつながることができるものなので、その行動できる時間が短いほど人脈は小さく細くなってしまいます。
一緒に仕事をしていくうちに相手の信頼を勝ち取ることで得られる人脈だってありますが、起業したてではそれもおぼつきません。
会社の実績を作りながら一緒に人脈を作っていくしかありません。
資金がない
起業を断念する理由の大きなものの一つに自己資金の不足というものがあります。
資金が足りなければ、借りるという方法もあるのですが、実績のない人や信用のない人に銀行はお金を貸したりしません。
銀行も貸したお金は利子をつけて返してほしいので、それができそうもない人にはお金は貸せないのです。
しかし、今のあなたには銀行からお金を借りられるだけの説得力を持っているでしょうか。
説得力の一つにはあなたが今までやってきたことの実績も含まれます。
十分な実績を社会に出てからの数年のわずかな時間で作ることもなかなか難しいのです・
経験不足を何かで補う
以上、20代で起業することによる、メリット・デメリットとは?ということで見てきました。経験が全てではありませんが、ビジネスに関わった時間の長さがスキル磨き、人脈を形成します。
しかし、その時間が短い場合はそれを埋める何かが必要になってきます。
それは革新的な発想であったり、バイタリティーであったりします。また、時代の波を感じ取る嗅覚の場合もあるでしょう。