年収1,000万以上の生活の実態って?実際どのくらのレベルの生活が送れるのか!?
2017年現在、日本人の平均年収は420万円なので、年収1,000万円が高収入であるのは間違いありません。
約75%の労働者が年収500万円未満であることを考えると、ほとんどの人が年収1,000万円の生活を知らないことになります。
働く人にとって年収1,000万円はある意味、一つの目標であり、裕福な生活ができる一つのラインと考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際のところはどうなのでしょうか。
手取りはどれくらいになる?
可処分所得という言葉をご存知でしょうか。
一般的には手取りと言われている金額の事で、総支給から税金などを引いた、本当に自由に使える金額の事です。
ちなみに年収1,000万円の手取りはいくらなのかというと、大体700万円~800万円くらいの間です。
このように手取りでも差が出てくるのは人によって状況が違うからで、扶養家族の有無や、雇用保険、さらにはサラリーマンか事業主か、様々な要素で金額は変わってくるので一概にいう事はできません。
細かい計算などもあるのですが、感覚として大ざっぱに手取りを知りたいなら年間給与に0.8をかけたものが手取りになると考えてください。
ちなみに日本人の平均年収である420万円の場合、0.8掛けすると、手取りは約336万円。
つまり、平均的な人よりも少なく見積もっても年間400万円近く自由に使えるお金があることになります。
所得税がやはりネック。補助や控除も受けづらい
現在の日本の税制は累進課税であり、年収の多い人ほど税金を取られる割合が多くなります。また、一定以上の年収を超えると、配偶者控除や各種手当を受けることができなくなるため支出は増えていきます。
1人暮らしか、それとも結婚して家族がいるかどうかで大きく変わってきますが、たとえば、高校の無償化は年収910万円の世帯から対象ではなくなりますし、児童手当はもっと低い年収から受けられなくなりますので、そこは可処分所得から支払うことになります。
とはいえ、一番大きなネックは所得税です。
そもそも累進課税は所得の多い人から、より多くとる仕組みであり、所得格差が広がると社会不安が広がるので、それを防ぐための措置でもあります。
所得の高い人と低い人の生活に大きな差が出ないように、国がしているのです。
年収1,000万円の課税率は20%ほどです。年収600万円が10%程度なので、倍以上税金を払っていることになります。
本当はお金持ちではない?
本当の富裕層は年収3,000万円以上からという説があります。
年収3,000万円までいくと、さすがに0.8掛けで手取りを算出することができなくなるのですが、その理由はやはり累進課税です。
年収1,800万円くらいから税率が40%を超えてきますので、年収3000万円だと手取りは1,800万円くらいです。
月に150万円以上自由に使えるお金があることになります。
ここまで行けば本当のお金持ちと言ってもいいのでしょうか。
ちなみに年収1,000万円だと月に使える金額は66万円。ボーナス込での話ですので、毎月の可処分所得は実際もっと低いはずです。
Cさらに地域によって物価も違うし、高給を得るような仕事では身なりも整えなくてはなりません。
貯金もしたいし、家も買いたい、だから満額使えるわけではありませんが、それでも日本で暮らしていくには十分な金額です。
ちなみに年収420万円だと月に28万円で生活することになりますが、家族がいる場合は特に配偶者控除や児童手当などを受けることができるので、その差はいくらか縮みます。
それでも十分以上の生活を送れる
とはいえ、普通に生活するだけなら、十分以上の生活を送ることができますし、家や車も普通よりはよいものを得ることができます。
ただし、本当のお金持ちかというと疑問が残るのも事実です。生活の質を向上させてしまうと出費も増えてしまい、家計がとたんに苦しくなります。
確かに手当や控除が受けられない分減るとはいえ、平均よりも年間400万円近く自由になるお金はあります。
それなら豪邸に住んで、高級車を乗り回せるかというとどうなのでしょうか。豪邸も高級車も価格の桁が一つ違うのだから、それは苦しいのがお分かりだと思います。ただし、国産車なら毎年乗り換えることができますし、普通の家なら購入しても短期間でローンを完済することができます。
これだけでも普通の人から見れば、十分ぜいたくできている範囲ではないでしょうか。
年収の大台に乗ってもタガを緩めることなく生活していくことができれば、経済的にはかなり満たされた人生を送ることができます。
まとめ
生活実態は人それぞれですし、また何がぜいたくなのか、どこまでがぜいたくなのか、いくら持っていればお金持ちなのか、という部分は人によって違いますので、年収1,000万円の生活を客観的な数字の比較で見てきました。
平均との比較をすればやはり年収1,000万円はかなり裕福と言えるでしょうが、それはあくまで常識の範囲の裕福であり、庶民としては裕福であるというのが実態のようです。
しかし、年収1,000万円は、現在の日本で働く人にとっては一つの目標であり、ステータスのようにもなっています。実際、普通に暮らすなら不自由なく暮らせる年収ですので、目指す価値は十分にある目標です。