年収1,000万以上の生活で気を付けるべきポイント
年収1,000万円というのは一つの大台です。
しかし、その年収を達成しているのは、全労働者のうちの5%ほどと言われています。
2017年の日本人の平均年収が420万円ほどですので、年収1,000万円と言えば2倍以上。
ただし、よく考えてみてください。普通の人の2倍の収入というのは、どれくらいの生活が適正なのでしょうか。
年収1,000万円。手取りはどれくらい増える?
年収1,000万円の生活で気を付けるポイントを知るうえで、まずは実態を知る必要があります。
それにはまず月々にどれくらいのお金を使うことができるのかを見ていかなければなりません。
年収1,000万円の人の実際の手取り額は約730万円~。
ちなみに年収700万円の人の手取りが約535万円~、年収500万円の人の手取りが約400万円ほどです。
比較するとわかる通り、日本は累進課税をとっていますので、年収が多いほど支払う税金が多くなります。
年収700万円とは300万円の差があっても、手取りにするとその差は200万円くらいに縮みます。
今まで受けていた補助もなくなってしまう?
また、年収が高くなると国や自治体からの補助が受けられなくなります。
たとえば、年収が約910万円を超えると高校の学費無償化の恩恵を受けられなくなります。
地方自治体からの児童手当は年収が一定以上増えることによって減額されます。
よって、さらに年収による生活の差がなくなっていきます。
生活が苦しくなる謎
以上のように、所得の増加によって税率も上がり、補助も受けられなくなります。
よって、思っていた以上に自由に使えるお金が増えるわけではないということがわかります。
そうはいっても手取りで730万円以上の金額というのは日本で生活していくのに十分な金額なのは間違いありません。
しかし、不思議なことに世帯年収が1,000万円超の家庭の約3割がカードローンを定期的に利用しているというデータも見られます。
年収1,000万円もある家庭の3割が、生活費が足りていないのです。
大台に乗った気のゆるみ?
年収1,000万円以上のビジネスパーソンは全体の約5%と言われていますが、生活となると家計で考えたほうがより現実に即したものとなります。
妻がパートに出たりしている場合もあり、家計の収入としてみたとき、日本の世帯収入の平均は720万円となっています。
では、年収1,000万円の家庭は実際どのくらいあるのかというと、平成26年の厚生労働省のデータでは12%ほどとなっています。
10分の1の家庭が年収1,000万円という事なので、日本人の約1割以上が年収1,000万円の家庭で生活をしていることになります。
そう考えると、それほどお金持ちという感じではなくなってきます。
生活水準をあげてしまうと
年収1,000万円という言う言葉には、一種のステータスがあるのはお分かりかと思います。
文字通り桁が一つ違いますし、仮に年収をたずねられたとしても胸を張って答えられる額です。
しかし、世間の評価に騙されて自分を見失ってしまうと悲惨なことになります。
例えば、年収500万円の家庭の可処分所得は約400万円であり、年収1000万円の家庭の可処分所得は730万円。
よって、一年間で330万円ほど多く自由に使えるお金があるのですが、これをどうとらえるかで変わってきます。
車を新車で買えば、300万円はすっとなくなります。
時計でもブランドものなら100万円するものも珍しくありません。
しかし、このような一時的な支出ならまだ大丈夫です。一番の問題はもっと別のところにあるのです。
生活が苦しくなる一番の理由は固定費の増加
例えば、固定費にあげられる最も大きなものは家賃です。
今まで住んでいた家賃10万円ほどの物件から、家賃20万円の物件に引っ越したとしたら、それだけで年間120万円の差が出てしまいます。
さらにもう一つ大きな固定費をあげるとしたら子供の教育費がありますが、たとえば子供を有名私立に通わせるとしたら、年間の学費が100万円~60万円です。
ただし、これは授業料のみなので、ほかにも当然費用は掛かってきます。
ちょっといいところに引っ越して、子供を私立に通わせるだけで200万円。
年収500万円世帯と比較すると自由に使えるお金は残り130万円です。
これで、生活の他の部分を向上させることもできますが、子供をもう一人私立に通わせた場合は、ほぼトントンになってしまいます。
生活水準をどこまで上げるかは慎重に考える
以上のように、年収1000万円という収入帯は、まだ何にお金を使うかを選択しなければいけないレベルの収入であることがわかります。
すべてを一流にすることはできないので、いいところに住むのか、子供の教育にお金をかけるのか、それとももっと別のところにお金をかけるのかを選択しなければなりません。
あるいは妥協をして、バランスの良く生活を向上させるための支出を心がけるのもありでしょう。
人の価値観はそれぞれなので、どこにお金をかけるかを慎重に検討して自分にあった生活スタイルを構築することをお勧めします。
まとめ
年収1000円以上の生活で気を付けるべきポイントという事で見てきました。
一般的な家庭よりも自由に使えるお金は確かに増えるので選択の幅は広がります。
ですが、一時的な支出はともかく、固定費には注意する必要があります。