「年収500万以上」はどのくらいの生活ができるのか
2015年に国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」によると、労働者の約7割が年収500万円未満です。
データを見てみると、年収300万円~400万円台がボリュームゾーンであり、年収500万はもう少し頑張れば手の届く年収という感覚かと思います。
年収400万円の人から見れば、100万円の家計の増収です。
手取りで考えたとしても、自由に使えるお金が数十万円増えることになり、そうなるといろいろ生活が変わるかもしれません。
では、実際、年収500万円ではどのくらいの生活ができるのかを見ていきましょう。
参考:http://nensyu-labo.com/heikin_kaisou.htm
独身? 既婚で子どもあり? 当然、生活スタイルはちがう
年収に0.8をかけると、大体の手取りが計算できるため、年収500万円の手取りは400万円ほど。
毎月使える額に換算すると約33万円ほどです。
独身男性の場合
この場合、一種のモデルケースとして、独身男性の家計をざっくりと考えた場合、
年収500万円の独身男性の家計(モデルケース)
手取り 33万円
家賃 8万円
食費 6万円
通信費 2万円
水道光熱費 1万円
衣服 2万円
日用品 1万円
保険料 1万円
交際費 2万円
遊興費 2万円
雑費 1万円
貯蓄 7万円
地域によって家賃は大きく異なりますが、独身なら十分な物件に住むことができます。
また、食費は独身で外食が多くなること考えても一人で6万円ならば、かなり余裕があるはずです。
様々な出費を考えて余裕を持たせて計上しても、まだ7万円ほどの貯金ができます。
贅沢を考えたら、きりがありませんが、服や時計で数十万円もする高級なものを買うのは少し努力が必要になってきます。
また車を所有して、年に数回旅行をするだけの余裕もあります。
趣味にお金をつぎ込むこともできますが、もっとスマートな家計で生活できるという人は、他の部分を少しずつ削って、マンションや住宅を購入してローンに充てても良いでしょう。
家族がいる場合
年収500万円の3人家族の家計(モデルケース)
手取り 33万円
住宅ローン 10万円
水道光熱費 2万円
食費 6万円
日用品 1万円
通信費 2万円
教育費 3万円
小遣い 2万円
保険 1.5万円
遊興費 1万円
自家用車関連 1.5万円
住宅維持費用 1万円
貯蓄 2万円
家庭を持っている場合は、少し苦しくなってきます。
食事はほぼ自炊になります。
家族が3人の場合、外食の場合、独身と比べて単純に食費は3倍になります。
逆に人数が多い場合は、自炊をした方が経済的でもあるので、無理に外食する必要もないとも言えます。
家計を圧迫するのはやはり住宅ローンとなります。しかし、子供は大きくなるにつれて、プライベートな空間を欲しがるようになります。
さらに、時期が来れば高校、大学の学費と教育関連の出費も家計を圧迫します。
仮に子供を4年制大学に入学させた場合、学費の安い国立大学でも年間授業料は約54万円程度であるため、交通費を含めても100万円近い金額が必要になってきます。
また、大学生の子供が一人暮らしなどをする場合には仕送りが必要になってくるため、さらにお金がかかります。
早いうちから学資保険などを考慮しておくとよいでしょう。ライフステージにもよるのですが、生活は必要最低限なもの+αという感じになってきます。
年収500万円でも、生活実態は様々
ここまで見てくると、一般的な生活を想定した場合、年収500万円以上の生活を総括すると、独身であるならば、かなり余裕があるが、家庭を持っていると若干苦しいというレベルです。
豊かさの定義は人それぞれですが、独身の人は大きな贅沢を望まない限りは十分に経済的に満たされていると言えます。
既婚で子持ちの方は、自分の自由に使えるお金が少なくなりますし、生活そのものも若干苦しくなります。
ただし、配偶者控除や児童手当などもあります。
また、足りない家計については妻がパートに出て補ったり、子供が大きくなれば自分でアルバイトを始めたりしていきますので、状況は様々といったところです。
男性が主に年収500万円で生活するのは、平均的に30代の半ばから、後半くらいになってきますので、現在の男性の初婚年齢32歳から考えると子供はまだ小さいため、支出の中で大きなウェイトを占める学費がまだ発生していません。
勤続年数によって、給与が増えていく年功序列の制度も崩壊し始めていると言われて久しいですが、職業によっては棒給制などを維持しているところもあるので、年齢や勤続年数とともに給与が上がる人もおり、子供が大学に挙がる頃には経済的に楽になっている可能性もあります。
まとめ
年収500万円以上はどのくらいの生活ができるのか、ということで見てきました。
経済状況は様々なので、一概には言えませんが、一般的なモデルケースを使って、大体どの程度の生活ができるのかを見てきました。
年収が500万円になる段階というのは、人によっても違います。
20代で達成できる人もいれば、ずっと年収400万円台で生活している人もいます。
また、支出の割合はライフステージによっても変わってくるので、定点でとらえず、人生を一つの流れとして捉え、自分にあった生活を選択する必要があります。