20代が起業するための方法と失敗を防ぐためのポイント
日本政策金融公庫の研究所が発表している資料によれば、2016年の20代の起業者の割合は、全体の7.1%となっています。
その年はもとより、起業者の多くは例年30代・40代の比率が高く、二つの年代を合わせると実に全体の70%を占めています。
起業を志す人の約70%がその年代で会社を興すことを選択しているのがわかります。
20代で起業するということ
ただし、特に成功した有名な経営者の企業当時の年齢を見てみると、年齢と成功率との間には相関があるようには見えません。
20代で成功した人もいれば、50歳を超えてから起業して大成功を収めた人もいるのです。
よって、いつ起業するかは本人の覚悟次第といったところでしょうか。
かつては、40歳・男性・資本金3000万円が起業して成功するための最適条件と言われていたこともありますが、これは確かな経験と十分な資金がある程度の成功を裏付けているように見えます。
では、20代での起業はどうなのでしょうか。
起業するための方法
20代でも、他の年代と同じで起業するための方法も準備も変わりません。
きちんと準備を進めて、すべてが整ったときに起業するだけです。
会社を作る事前準備として何が必要なのか基本的なものを見ていくと、
- 資金の準備
- 業務知識の習得
- 経営知識の習得
- 販売先の確保
- 家族の理解
以上の5つが起業するための基本的な準備になってきます。
資金の準備
事務所を構えたり、業務に必要な機材をそろえたりするのには資金が必要です。
仕事によっては高額な設備を導入する必要があるかもしれません。
家賃に加えて、光熱費なども必要です。
また、人を雇えば毎月給料を払わなければいけません。会社を始めたばかりのころは、あまりお金が入ってこないので、最低でも3か月分以上のランニングコストが必要だと言われています。
業務知識の習得
どのような商品・サービスを提供するかというのは重要な要素です。
自社の扱商品・サービスが他社に劣っていては消費者に選んでもらえません。
また、会社の業務も多岐にわたります。
経理・人事・営業など、最初は少人数からスタートするので必要な業務知識をある程度習得している必要があります。
経営知識の習得
会社の状態を知るために、財務諸表の数字が何を示しているかくらいは理解できたほうが良いでしょう。
貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などです。
また、経営には様々な知識が必要になってきます。
広い世界の中で、今、自分の会社が置かれている状況を把握して、最善の選択をするためには十分な知識が求められます。
販売先の確保
起業とは新しいお金の流れを社会の中に作ることと言い換えることができます。
会社を作って、顧客を得て、そこに商品・サービスを提供する代わりにお金を支払ってもらいます。
とりあえずのお金の流れを作ってそれを維持していけば、初期段階としては成功でしょう。
あとは別の流れを作ったり、その流れを太くしたりして、自分の会社にお金を集めていけば、会社は自然と大きくなります。
家族の理解
家族の理解は得ておきましょう。
応援してくれる家族は、資金の援助をしてくれることがあります。
銀行からの借り入れができなくなった時など苦しいときは非常に助かるはずです。
逆に理解を得ていない場合、最悪、家族そのものを失うことになりますので注意が必要です。
起業はリターンも大きいですが、リスクも高い選択です。
しっかり、家族の理解を得なければ何のために起業したのかわからなくなる場合もあります。
20代で起業したときに、失敗を防ぐためのポイント
さて、会社を作るのに必要な準備を見てきました。
この中で、特に20代の若年層が起業をあきらめる要素が、経営知識の習得と家族の理解の二つというデータがあります。
ほかにも20代で起業したときに失敗する要因がいくつか考えられます。
それらは、やはり経験不足からくるものが多いようです。
経験不足を別の何かで補う
やはり20代での起業は経験不足がつきまといます。
時代の流れに乗って、会社を大きくしても、一気に大きくし過ぎたために会社が崩壊した例もいくつもあります。
これは健全な成長ができなかったからです。
また、黒字倒産などの例もかなり多いようです。
いつお金が入ってきて、いつお金が出ていくかを把握しておくだけのことですが、これがなかなかできない人も多いようです。
経営者は日々、様々なことが頭の中をめぐっていて、休日と呼べるものもない場合が多いですが、資金の流れだけは最低限把握しておくべきです。
まとめ
20代が起業するための方法と失敗を防ぐためのポイントということで見てきました。
起業する方法は何歳であっても変わらないのですが、やはり20代でデメリットとなるのは社会経験の浅さです。
40代まで会社で活躍していた人は、業界の流れや、交渉の仕方、人の使い方などを会社の内部で経験してから起業しますが、20代での起業は会社に入ってから数年後の独立となるため、あまり大きなことをさせてもらえなかったと思います。
よって、起業してから自分で学んでいくことになることも理解しておきましょう。
本記事が読者の参考になれば、幸いです。