長く愛される老舗には理由あり!外食産業を支えるために大切なこととは?
化学調味料や保存料、着色料をつかわずに素材の味にこだわりぬいた人気の洋食店「つばめグリル」。
そのつばめグリルを運営する株式会社つばめの歴史はなんと80年前にさかのぼる。
今回は株式会社つばめの社長石倉悠吉氏の経営哲学に迫りたいと思う。
プロフィール
名前:石倉悠吉(いしくらゆうきち)
生年月日:1943年
出身地:東京都港区
趣味:ゴルフ、鉄道の模型作り
備考:銀座料理飲食業組合の理事長を務める。
大学卒業と同時に飲食業界入りし、父からつばめグリルを継ぐ。つばめグリルやつばめや、つばめDELIなど24点を経営している。
歴史はなんと80年以上も前
つばめグリルは石倉氏の祖父が1930年ころに新橋の駅内で始めた洋食やである。
そのころから石倉氏は、食べ物屋の子供だから自分も食べ物屋をやろうとなんとなく感じていたという。
そんなつばめグリルは当初は繁盛していたものの、東京オリンピック後の不況で売り上げはなんと半分以下に減ってしまっていたそうだ。そしてその後、石倉氏がつばめグリルを継ぐことになるのだ。
赤字経営から人気店になった理由とは
石倉氏は、赤字経営の洋食屋から長続きする老舗の洋食屋に変化するまでに大切にしたことがいくつかある。
それは、つばめグリルの特徴ともいえる化学調味料との向き合い方だ。
当初は化学調味料をたくさん使っていたが、石倉氏は違和感の残る味が気になっていた。
化学調味料をつかえばおいしいのだが、このままの商売を続けてはいけないと感じ、軌道修正したのだ。
そして、今の化学調味料や保存料、着色料の使っていないつばめグリルが完成したのだ。
ほかにも、メニュー数をしぼることにもこだわった。
石倉氏は、海外で20年、30年続いている店がメニューを変えていないことに気づいたのだ。
石倉氏は、売れなくなったからと言ってメニューを変えるのではなく、おいしくするということに重点を置いて考えたのだ。
また、物流を工夫することにも重点を置いた。
メニューを変えなければ、産地との物流を集中させることができる。一時さん品は大量仕入れでも商品の値段が変わらないが、物流を工夫することで、利益を増やすことができるのだ。
こういったいくつかのポイントによってつばめグリルは、赤字経営から長く愛される老舗の洋食屋にへと変貌をとげたのだ。
これから飲食店を始めようとしている人へ思うこと
石倉氏は、外食産業は将来有望な産業だと思っているという。
しかし、今の日本の外食産業は、付加価値を追求しなくなっている傾向にある。
業態が長続きしないことが前提にあるので、原価率の低い海外加工の半調理品をつかったり、化学調味料や防腐剤で補ったり、パートに頼って投資を早く回収しようとしている飲食店が多いようだ。
石倉氏は、そんな現状を変えてほしいと考えるのだ。
そうではなく、外食産業の本来のあり方や、もっと本質的なところへ入って行ってほしいと考えているのである。
今後は、コックさんが毎日試食しておいしさの中に付加価値を追い求めるような店が増えてほしいという。
参考URL
http://tetsusism.com/ishikura_yukichi-wiki-tsubame-grill-hambrug_steak-cambria-12219