地方を元気にしたい
人材不足で成長できない地方の優良企業に対して、人材を供給することで地方の活性化を図ろうとする上原氏。
プロフィール
上原 尚博
株式会社ライズエグゼクティブ 代表取締役
大学卒業後、不動産開発企業に就職
その後、現在のグループ会社であるヘッドハンティング会社に転職
2012年 株式会社ライズエグゼクティブ設立 代表取締役就任
地方企業に特化したヘッドハンティング
企業にとっても最も大切なものは何かと問われたらどう答えるだろうか。
経営者、理念、企業体質など様々な答えがあるだろうが、究極のところそれらを作り出すのは人である。
人がいなければ、企業は成長することができない。
業務を拡大するためには、それに伴って人員補充が必要なことは言う必要もないことだ。
しかし、現在の日本では首都圏の企業に向けた人材供給を行われているがが、その逆に地方企業への供給はあまり多くない。
地方都市に対しては、ヘッドハンティングによって人材を獲得するという文化がほとんどないのが現状だ。
上原氏は過去の業務の中で、その現実を目の当たりにし、社会のミスマッチを解消すべく、株式会社ライズエグゼクティブを設立した。
独立のきっかけは地方企業の成長を支援するため
もともと、不動産業界でのヘッドハンティングの会社で仕事をしていた上原氏。
地方の顧客を訪ねることも多かったが、人材難で苦労する企業が思っていたよりも多かったという。
近年では飲食業界などを中心に人手不足が加速して、まともに営業できない店舗も増えているが、それは徐々に社会全体の問題となってきている。
特に地方企業はその傾向が顕著であり、魅力のある企業が大手の転職サイトに何百万円と支払っても、一人も応募が来ないというケースもあるようだ。
逆に地方に転職してキャリアアップを検討している人もいるが、様々な事情があり、なかなか一歩踏み出せない人も多いという。
そのような状況の中で、声を掛けられたら検討してみたいと思う人も多いというので、地方への転職を考える人は潜在的にはかなりいるようだ。
正当に評価される職場
日本には400万社ほどの企業があるが、その半数に後継者がいないという。
そのため、やむをえず廃業したり、M&Aを行ったりして企業価値を落としてしまっている。
それを防ぎつつ、魅力ある地方企業の成長を助けたいと思い、日本中を飛び回る。
近年まで終身雇用が当たり前だった日本社会で、ヘッドハンティングに対する印象はあまりいいものではない場合もある。
しかし、上原氏は無理に人材を引き抜くわけではなく、本当はもっと活躍できるはずなのに今のポジションに甘んじている人、それでも腐らず前向きに頑張っている人の手伝いをしたいと語る。
現在でも年間100人以上の人材を顧客に紹介しているが、最終的には転職者と受け入れ企業の意志が全てだ。
上原氏は、事実をしっかりと把握して相手に伝えることで誠意のある対応をし、高い人材獲得率を維持する。