「“良い会社”を創りたい」

社長就任以来、「“良い会社”を創りたい」と言い続けたという永野氏。

顧客や地域社会の大切な時に役に立てるように、会社を存続させていきたいと語る。

プロフィール

永野毅

東京海上ホールディングス株式会社 代表取締役社長

1975年 慶應義塾大学商学部卒 東京海上火災保険入社
ロサンゼルス駐在員、執行役員、常務、専務などを経る
2013年 社長就任

「いざ」という時に役に立つために

人生には何が起こるかわからない。
突然の事故や病気、天災などでいきなり財産や住居、あるいは健康を失う可能性がないとは言えない。
不意に訪れる不幸を避けることはできないが、それに対する備えをしておきたいと誰でも思う。
東京海上グループは、国内最大の損害保険グループであり、MS&ADインシュランスグループ、SOMPOホールディングスと並ぶ、「3メガ損保」として知られている。

その東京海上グループの代表である永野氏は、社長就任から「良い会社を作りたい」と言い続けている。
それは、顧客や地域社会の「いざ」という時に役に立てる会社であるという。
そのためにも東京海上グループを存続させ、社会に価値を提供し続けていきたいと話す。

部活動の縁で、東京海上に入社

高知で生まれ、幼少期は川で泳いだり、船をこいだりして過ごしたという永野氏。
中学を卒業後に上京し、慶応高校に進学したが、周りにはいままでいなかったタイプの人間ばかりで刺激的だったと話す。
漫然と過ごして流されないように、水泳部に入るとそこで遠泳に打ち込む。

そして、自分が就職するときになった。
もともと保険会社に入ろうと思っていたわけではないが、東京海上にいた水泳部の先輩が熱心に誘ってくれたので、入社を決意したそうだ。
高度経済成長期だったため、顧客にも恵まれ、経験を積むことができたという。

保険の重要さを再確認

海外に何度も足を運んだ永野氏。
香港の地下鉄・台湾のダム・海底トンネルなど危険な現場で仕事をする人たちを見るにつけ、保険の重要性を再確認した。
そして、営業の仕事を通して、どうしたら顧客の役に立てるのか、信頼を得ることができるのかを必死に考えた。

保険が真価を発揮するとき

保険が真価を発揮するのは、やはり「いざ」という時だ。
目に見えない保険という商品は、「いざ」という時に自分たちを守ってくれるという信用を売っていると語る永野氏。

その時に備えて、顧客を守るため、有事にあっても揺るがない事業構造を作ることが大切だと話す。
そのためには、災害の多い日本だけでなく、世界中で事業を展開して拠点と事業を分散することで安定的な構造を作り上げることができるという。

また、社員には会社を自分の事のように考えてほしいと話す。
どうしたら会社をよりよくしていけるかを気楽に語り合える社風になってほしい。
会社のルールにしたがって動くだけでなく、自分たちの意志で会社を作り上げていくことを期待しているという。

参考:

http://www.tokiomarinehd.com/company/officers/
https://diamond.jp/articles/-/41605
http://ps.nikkei.co.jp/myroad/keyperson/nagano_tsuyoshi/