「いいモノは高く売る」
いいものを安くというのは間違っている、顧客に価値を認めてもらうものを提供して行くべきだと語る木村氏
プロフィール
木村皓一
ミキハウスグループ代表
1945年滋賀県生
関西大学経済学部在学中から野村證券でアルバイトを始め、中退し同社入社
1971年 三起産業を創業
1978年 三起商行を設立
2000年 ITで子育て情報を提供する「ミキハウス子育て総研」を設立。
高級子供服ブランド
子供服で、日本のトップブランドと言えば「ミキハウス」の名前が挙がる。
国内で200店舗、海外11か国で24店舗。
従業員は1000人という大企業だ。
そのミキハウスをブランドとして持つ、三起商行の代表が木村氏である。
創業以来、ベビー子供服の製造卸を行ってきており、現在もアパレルがメインではあるが、そのほかにもベビー総合プロデュース事業を始め、出版・教育・外食事業なども手掛けている。
父親との意見の対立
今でこそ、三起商行を大企業へと押し上げた木村氏だが、もともとは証券会社で働いていた。
大学時代にアルバイトを始めたのが野村證券。
そのまま、大学を中退して野村で働き始めたが、その後、父親の経営する会社に入社することになった。
父の経営する婦人服を扱う会社は社員200名ほど。
しかし、すでに野村を見てきた木村氏には、父の会社のやり方が非効率的に見えてしまったという。
それを改善しようと努力したのだろうが、なお、自分のやり方を押し付けてくる父親と喧嘩して会社を辞めた。
しかも、妻に反対されるのは目に見えていたから、出産間際の妻が実家に帰ったタイミングを見計らって会社を辞めてしまったそうである。
妻と二人で独立
その後、妻に会社を辞めたことを告げ、何の事業をしようかと思案していたところ、女性向けのファッション雑誌に目をとめ、これからは子供服にもファッション性が求められると直感する。
そして、子供服のデザイン経験のある妻と二人三脚で起業をした。
その後、全身をトータルコーディネートした子供服を妻に作ってもらった木村氏は、そのサンプルをもって営業に出ていった。
狙うのはトップの店のみ
営業先には何店舗か子供服を扱う店があったが、そのすべてに行くわけではない。
その中で、最も高級な店舗のみに絞って営業を掛けた。
もちろん、最初はあまりうまく営業できなかったが、それでもやり方を見直していくうちに徐々に売れるようになっていったという。
価値を認めてもらうこと
当時は、九州にマーケットを絞っていた木村氏だが、そこに注文のあった服を配送するには5~6日ほどかかったという。
しかし、運送業者をよく調べてみると、一日で配達してくれるところもある。
当然、値段は他の倍くらいかかるが、それだけの価値があった。
注文したが、翌日に服が届く。
これが顧客に喜ばれて、取引が増加していく要因となった。
木村氏が大切にしている価値観に、いいモノは高く、という考えがあるという。
近年では、いいモノを安く、という考え方が主流のようにも見える。
確かにいいものが安ければ、顧客は手放しで喜ぶだろうが、きちんと価値を認めてもらうところにこそ、ビジネスの本質はあるのかもしれない。
参考:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%B5%B7%E5%95%86%E8%A1%8C
https://inouz.jp/times/nvc2017-session-mikihouse/
https://www.mikihouse.co.jp/corporate/