30代が起業するための方法と失敗を防ぐためのポイント
日本政策金融公庫の研究所の2016年のデータでは、その年に30代で起業した人の割合は35%となっており、これは40代とほぼ同じ割合になっています。
多くの人が起業する年齢を30代・40代で選択しているのは、10年ほどどこかの企業に入って経験を積み、資金を蓄えて準備を整えているためと考えられます。
では、そんな30代が起業するための方法と、その失敗をできるだけ防ぐためのポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。
それを今から見ていきましょう。
30代の起業は順当?
かつて40代・男性・資本金3000万円という条件が、起業してから成功しやすい条件とされていた時期がありました。
40代ならば、社会経験20年でそれなりの地位にも就いていた可能性もあり、人の使い方をよく知り、会社の全体を見渡すような視点も持つには十分な年齢です。
起業したばかりの零細企業が行うような規模の業務も、会社の一部署で同程度の経験を積んでいたかもしれません。
さて、では30代はどうかというと、早い人ならば役職もついて部下を率いてバリバリやっていた可能性があります。
プレイヤーとしても体力・経験共にバランスの取れた年齢であり、多くの企業が主戦力にしている年齢です。
40代と比べるとやはり、やや経験は足りないけれど、その代わり体力と気力があります。
プレイヤーとマネージャーで考えると、30代はややプレイヤー寄り、40代はややマネージャー寄りといったところで、どちらにも一長一短はありますが、どちらも経験と体力をバランスよく装備している年齢だと考えられます。
30代が起業するための方法
それでは30代が起業するための方法を見ていきましょう。
まず、会社を作るにあたって準備しなければならないものを用意しましょう。
それは次の5つとなります。
- 資金
- 経営知識
- 業務知識
- 販売先
- 家族の理解
資金
初期投資分と最低3か月分のランニングコストを用意したほうが良いと言われています。
事務所を構える資金や業務に必要な機材に加えて、人を雇うなら毎月給料を支払う必要がありますし、光熱費などの固定費も出ます。
十分な資金を用意して、いきなり息切れをしないようにしましょう。
経営知識
経営知識を学んでおきましょう。
最低限、財務諸表の数字が何を意味しているかくらいは何となく理解できるようになっておいたほうがいいです。
また、キャッシュフローを明確にしておかないと黒字倒産もありますので、気を付けましょう。
業務知識
どのような商品やサービスを提供するにしても、業務知識は当然必須です。
開発・営業・経理など、あなたが作る会社で必要な業務は何かを明確にして、それらの知識を事前に学んでおく必要があります。
販売先
これは難しいかもしれませんが、会社設立前に、商品サンプルでも持って営業周りをして、顧客を見つけておけば、後の流れは楽になります。
一つ、お金の流れを作ることができれば、そこを起点にすることができます。
会社を設立するということは、新しいお金の流れを作ることです。
お金の源流である顧客を確保しておけば、その後の経営をスムーズに行うことができます。
家族の理解
家族の理解ももちろん必要です。
現在、日本人男性の平均初婚年齢は30歳くらいですので、もし、30代で起業しようとすれば、結婚したばかりか、あるいは小さな子供がいるくらいの状況になることが予想されます。
起業はリターンも大きいですが、同時にリスクも高いので、しっかり家族の理解を得なければ、何のために会社を作ったのかわからなくなるような事態に陥る可能性があります。
失敗を防ぐためのポイント
起業を逃げ道にしない
30代になると周りの同期が出世を始め、給与にも差が付き始めてくる頃です。
自分が能力のわりに会社に評価されていないと思ったり、不満があったりすれば、会社をやめて独立するかという選択も出てくるかと思います。
しかし、このようなときに独立を逃げ道にするのはあまりよろしくありません。
独立をするならば、事前に準備が必要であり、会社でもそれを見越して経験と知識を集積しておくべきです。
独立を目指して20代から10年間会社で知識と経験を磨いてきた人と、今、30代でいきなり起業を思い立った人との間にはやはり大きな差があるのは否めません。30代で起業したいと思うのならば20代からそのつもりで働くべきです。
そして、アイデアや企業のスタイルを練りながら、経験を積み、知識を蓄えて、30代で起業したほうが、成功する確率は当然高くなります。
また、今まで独立するなんて夢にも思っていなかった人が、30代で仕事が調子よく進められるようになってくると独立してもいけるのでは、と考えるかもしれません。
しかし、そこでいったん冷静になってみる必要があります。
会社の看板の力や、自分を支えてくれる同僚の存在を確認して、やっぱりやれると思えなければ踏みとどまったほうがいいかもしれません。
まとめ
30代が起業するための方法と失敗を防ぐためのポイントということで見てきました。
30代は起業に適した年齢だと、多くの人が考えているようです。その年代で起業する人の数がそれを表しています。
プレイヤーとしても一線で働けますし、マネージャーとしての経験もあるので人をつかって売り上げを上げることもできます。
しかし、それ以前に起業を念頭に置いた働き方をし、資金もしっかりためておかなければ、独立してもすぐに息切れを起こしてしまいます。
しっかり準備をして、独立の準備をすることをお勧めします。