実は苦しい?年収1,000万以上の生活の現実
年収1000万円と言えば、ひとつの大台です。
独立して成功したりしなくても、サラリーマンでも割と達成できる金額なので、ビジネスマンが一つの目標にしている年収でもあります。
その割合は全体の3~5%ほどとなっていて、100人のうち3人から5人がこの年収をもらっている計算になります。
統計データなどを見てみると、医師・弁護士・会計士など日本3大国家資格を持つ職業や、飛行機のパイロット、一流企業のサラリーマンなどがこれくらいの年収になります。
大手企業でも中間管理職、100人規模の中小企業でも役員クラスになればこれくらいの給与になります。
年収1000万円の生活実態
手取り
では、そろそろ年収1000万円の生活実態をみていきましょう。
まず、生活を考えるうえで大切なのが可処分所得がいくらになるかを知ることです。
可処分所得とは、聞きなれた言葉に言い直せば、手取り、となります。
年収1000万といっても、そのまますべて自由に使えるわけではありません。
そこから税金などを引いて残った額が、本当に自由に使えるお金になります。
一般に、給料に0.8掛けをすると手取りが分かると言われていますが、年収1000万になってくると少し事情が変わってきます。
これは日本が累進課税制をとっているため、年収が高くなるほど税金が多く取られるからです。
年収1000万円の手取りは750万円ほど。
これは自分が経営者か雇用者か、配偶者がいるかどうかなどで変わってくるので多少は増減します。
生活感
それではどのような生活になるか見ていきましょう。
手取りが750万円ほどで考えていきましょう。
ボーナスを年4か月分とすると月当たり47万円ほどが自由に使えるお金になります。
家賃は収入の3割から4割ほどとなっています。
よって12万円~16万円ほど、賃貸もいいですが、庭付きの大きめの家を建てることも十分できます。
普通の一戸建てを買った場合は、ローンはすぐに完済することができます。
車も高級車にのることができます。
値段によっては、数年ごとに新車に乗り換えることもできます。
食事は外食に頻繁にいっても家計には余裕もあります。
子供を有名私立に通わせることも十分できます。
年収500万円の生活と比べると
ここで年収500万円の生活と比べてみましょう。
年収500万円と言えば、おおむね中流といえる年収です。
日本人の平均所得は420万円程度ですが、パートにでている女性も多いので、これくらいの世帯所得になる家庭は多いはずです。
年収500万円の手取りはだいたい400万円。
毎月25万円ほどが自由につかえて、ボーナスでだいたい100万円ほど。
家賃は大体8万円。
これは住んでいる地域によって、どの程度の物件に住めるかが変わってきますので一概には言えません。
また、残り16万ほどになりますが、家族がいる場合は、外食はかなり控えめになります。
ほとんどが家で自炊することになります。
子供は2~3人くらいなら普通に育てることができるレベルです。
350万円の差
ここまで年収500万円の生活を見てきました。
年収1000万円はここからさらに350万円をつかうことができます。
普通の生活をしているところにさらに350万円使えるとなれば、経済的にまずありません。
ただし、何に使うかで生活レベルと言うのは変わってきます。
例えば、家賃を毎月10万円高いところに引っ越すとそれだけで年間120万円です。
子供二人を私立の小学校などに通わせた場合は、ひとりあたり年間100万円ほどはかかるので、そうなると合わせて200万円です。
これで320万円。
家と、子供の教育費だけで年収500万円の家庭との差はほとんどなくなってしまいます。
年収1000万円の世帯に関するあるデータ
年収1000万円に関していくつかの面白いデータがあります。
一つ目は貯蓄に関するデータです。
これだけもらっているのだから、当然、貯金もたくさんあるはずだと思うでしょう。
しかし、年収1000万円以上の世帯の約1割が、貯蓄がまったくないというデータがあります。
これは使ってもまた稼げるという考え方がある可能性もあれば、予想以上に出費が多いため貯蓄ができないという可能性もあります。
後者の可能性を裏付けるデータが実はあります。
カード会社のデータですが、年収1000万円以上の世帯の約3割が定期的にカードローンを使用しているというデータです。
つまり、年収1000万円もらっていても、毎月の生活費が足りなくなることが頻繁にあるということです。
これは自分がお金持ちになったという意識が働いて、生活レベルを上げてしまったことで息切れを起こしていると考えられます。
まとめ
年収1000万円の生活は、経済的にめぐまれていることには間違いありません。
しかし、先に見た様に家賃と子供の教育費だけでも余分に使えるお金がすっと無くなってしまうのが分かると思います。
本当のお金持ちは年収2000万円とも3000万円とも言われています。
少なくとも、年収1000万円では生活のすべてを一流にすることは難しいのが分かると思います。
最も賢いのは、年収1000万円になっても生活レベルをあげずに、引き締めるべきところは引き締め、お金をかけるべきところにかけるやり方と言えます。