業種別にみる営業職20代の平均年収とは?
営業職は、他職種と比較して基本給が抑えられる傾向にありますが、一方でインセンティブ給料が多く発生する為、成果を残した人が給料を多く貰えるという体系が確立されています。
しかし、営業職という職種は同じであれ、業種が異なれば、携わる業務も異なったものになります。
また、法人営業(ルート営業)・飛び込み営業という区分もある為、やはり一概に説明することは困難です。
今回は、業種別という観点の記事です。
ある一定レベルの規模のインフラ系企業(電気、ガス、通信 等)
基本給が高く、営業職の旨味であるインセンティブ給料があまり発生しないインフラ系企業では、他職種と同程度の給料水準となります。
何故ならば、ある一定レベルの規模のインフラ系企業ともなると、既存顧客へのサポートがメイン業務であり、新規に営業をしなくても、十分に企業としての利益を上げることが出来るからです。
その為、営業職とは名ばかりであり、クライアントサポートに徹し、他企業への乗り換えを防止することが必要になります。
20代の年収は、500~600万程度ではありますが、業績によって大きく変わらず、比較的安定した給料を安心して受け取ることが出来ます。
ある一定レベルの規模の金融関係企業(銀行、証券、信託 等)
銀行、証券、信託を例として挙げますと、ある程度は営業成績が給料に反映されます。
しかし、成績の数値に応じて自動的に給料が決定されるというより、成績に応じて人事評価が高くなり、結果として給料が高くなるといったフローになります。
特に、銀行・信託において、この傾向が顕著です。銀行、信託で商品・サービスを多く売ったところで、人事評価が高まるだけであり、一気に20代で年収が2,000万になることはありません。商品・サービスを売った結果、出世コースに乗ることが出来た、という結論が関の山です。
証券業界は、特にフロント業務が力を持つ業界ですので、人事評価に加えて、結構なインセンティブ給が発生します。
しかし、通常の営業社員との差は、たかだか100万~200万程度の差なので、ボラティリティが少ないのは否めません。銀行・信託ならば20代で~800万円、証券ならば~1000万円です。
しかし、いわゆる生命保険のおばちゃんとも言えるような方々は、インセンティブ給料の割合が非常に高いです。保険を契約させることが出来なければ最低限の基本給である一方、保険を大量に契約させることが出来る営業社員でしたら、給料は青天井になります。
不動産販売業
不動産販売業は、20代で平均約700万円です。
不動産販売業と一括りにしても、三菱・三井・住友のような大企業として確立されている企業群の関連会社でしたら、その給料体系に関してもインセンティブの割合が少ないでしょう。
しかし、いわゆる独立系と言われる、大企業の資本が入っていない企業の営業職でしたら、生命保険の営業職と同様、インセンティブ給料の割合が高く、さらに絶対値も非常に高いものとなります。
毎月分譲物件の販売契約を安定的に結ぶことが出来るのであれば、20代でも年収2,000万円程度は手堅いです。
しかし、ご存じの通り、大手不動産企業のように「顧客から訪ねてくる」といった環境には恵まれていない為、電話・訪問のように、あらゆる手法を用いて見込み顧客を探し、何度断られても諦めないプッシュ営業をする必要があります。
大手広告業(WEB含む)
電通・博報堂といった大企業ですと、勿論営業職は激務なのですが、結構な額の給料は保障されています。
若手のうちは一律年次によって昇進する為、20代で800万以上は確実に稼ぐことが出来ます。大手5社に入らない、中堅広告代理店ですと、20代で600万円を超えることが出来れば御の字であり、さらに中小企業になりますと、20代でも300万代の壁をなかなか超えることが出来ません。
しかし、昨今非常に活気のあるインターネット広告を扱う業界の場合、電通・博報堂とその他代理店といったような明確な壁は存在せず、ある程度の規模を誇る企業でしたら年収600万円程度です。
しかし、一方でサイバーエージェント・オプト・セプテーニといったインターネット広告業界を牽引する企業の営業職でも、他業界の方々がびっくりする程の給料を頂戴出来ないといったところが現状でもあります。
この現状は、インターネット広告業界では、企業がひしめき合い、手数料を値下げすることによってしか差別化出来ない現状に起因しているからです。
つまり、利益率が非常に低い為、なかなか営業職のスタッフに還元出来ない仕組みとなってしまっているのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
営業職と一括りにしても、業種によっても給料は千差万別ですし、企業の規模によっても安定的かインセンティブ給料メインか、といった形で体系が変わってきます。
「営業職たるもの、インセンティブ給料が当たり前だ」「営業職は、他職種と同様の扱いなので、営業成績は人事評価にのみ利用されるべき」といった様々な意見があるかと思いますが、自身の性格と今後のキャリアを考え、適切なキャリアを選びましょう。